2.土工・基礎工事
  
 「基礎」は建築用語の中でも比較的おなじみと思います。
 何かにつけて基礎が大事だとおっしゃる。その基礎の事です。
 建築においても大事な要素です。

見積書には根切り工事○○・コンクリート・鉄筋○○sなどと 
ありますがこれは基礎全体で使用するコンクリートなどを
容積や重さで表しています。
皆様(建築主の方)には図面や実際に出来上がる基礎との比較が不可能です。
そのため気の利いた工務店では出来上がる基礎の長さ(m・間)で
表現することがあります。
厳密には基礎の交差部の長さの区別など問題もありますが、
住宅ではこの表現のほうが現実的と思います。

根切り工事
建物を支える地盤面を作るために土を掘り起こす作業です。
建設機械(ユンボ)を使い土を掘っている様子が
思い浮かぶでしょうか。
「敷地の地盤が建物を支えられるか否かを確認する事が大切です。
最近では住宅においても地質調査をすることが多くなりました。」
栗石地業
上からの荷重が均等に地盤に伝わるように玉石を150mm程度の
厚さで敷き詰める作業です。職人が2人がかりでランマー
(石を上から叩く機械)で作業する様子が象徴的です。
石は不規則な形をしているので長いほうを
垂直に置くようにします。
又、砕石を隙間に敷き込み、コンクリートとの馴染みを良くします。
型枠工事
コンクリート基礎を作るための仮の枠を作る作業です。
配筋工事
コンクリートの基礎を強固にするために鉄筋を組んで
基礎の骨組みにします。
「床下に外気を入れるために基礎に換気穴を設けますが
その部分のコンクリートにひび割れが生じることがあります。
ひび割れ(小さなものは問題ない)は元に戻りません・・・
換気穴を設けない工法も開発されています。」
コンクリート工事
建築工事の中で象徴的な工事のひとつです。
工場で作ったコンクリートを専門のコンクリート運搬車(生コン車)
で搬入し型枠に流し込む作業です。
コンクリートが固まらないうちに作業を進めるので
活気のある作業となります。
「コンクリートが固まる前にアンカーボルト
(鉄の棒状の物)を挿入します。
アンカーボルトは建物上部を基礎に緊結するための物です。
適当な本数が基礎の巾の中心にあり必要な長さで挿入されて
いることが大事です。
阪神・淡路震災以後ホールダンアンカーを使う事が多くなりました。
埋め戻し
掘った土を平らにする作業
残土処分
残った土を敷地外に持っていく作業
この他、犬走りコンクリート防湿コンクリートなどがあります。

建築用語集
ユンボ・・・土を掘り起こす機械・黄色で本体からアームが伸び先端にバケットがついている。
      恐竜に似ているので子供たちの人気者。
玉石・・・川原にある丸状の石、大きいものは割って使う。(砕石とは違う)
砕石・・・石を細かく砕いた石
ランマー・・・エンジンの動力を反発力にして玉石などを打ち固める機械。
       二人で作業をし相当大きな音がする。
型枠・・・コンクリートを流し込むための枠。住宅ではスチール製のものがほとんど。
コンクリート・・・固まった状態をよく目にする。橋や道路に使われている。
         セメント・砂利・砂・水で作る、ほとんど工場で作った、まだ固まっていない状態のものを枠に入れて
         基礎コンクリートにする。適正を欠いた柔らかいものでは強度不足になる。
         冬季、0度以下の気温のときは施工不能(施工後固まらないうちに0度以下
         になることが予想される時はシートなどで保温する必要がある。)
鉄筋・・・鉄でできた棒状のもの。
アンカーボルト・・・鉄でできた棒状のもので上部はボルト状で下部はフック状のもの。
ホールダンアンカー・・・アンカーボルト状のもので柱に直接緊結するための金具がついている
              (種類によって耐力が違う・使用個所により選ぶ)
犬走りコンクリート・・・建物外周部に巾60p程度でコンクリートで作る、地盤面より5p程度の高さで厚さ10p以上、
            表面は平滑。(犬が走るから?)
防湿コンクリート・・・床下の土からの湿気防止のために作るコンクリート、床下一面に砕石10p・
           ポリエチレンシート・コンクリート厚さ6pと敷き詰める。


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