▲▽▲ 阪神・淡路大震災 ▼△▼

 平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災においては、
死者6,400名余、負傷者43,000名余、被災建築物約44万棟というの
戦後最大規模災害が発生しました。
建築省における実態調査によると、現行新耐震基準の施工以前に
建築された建築物において倒壊、大破等の被害を受けたものが多く、
現行新耐震基準の施工以後に建築された建築物においても、
不適切な設計・施工、維持管理の不備等が原因で、倒壊、大破等に
至った事例が報告されております。
 
 群馬県における地震被害想定調査によると、最悪の条件のもとで
想定した場合、南東部地震 (桐生市から館林) において
マグニチュウド7.0の直下型地震が発生、死者1,066人、
負傷者42,756人被災建築物3,042棟という予想結果が示されました。 
  
 ここで木造建築の耐震性能について検討します。
木造建築の耐震要素としては、床・壁・基礎が考えられます。床は十分な硬さをもつ事により
地震力を壁に伝えます。壁は建築基準法施行令46条に必要な壁量をバランス良く配慮し、
筋かい端部を補強金物で固定するか、合板を釘で柱・梁に固定します。柱は補強金物で基礎に固定されます。

 阪神・淡路大震災において現行新耐震基準の建築物が倒壊した理由は、
壁のバランスが悪く、筋かい端部が補強されず、合板の釘止が甘い場合が多いと考えられます。
壁のバランスが悪いのは、建物南側に大きな開口を作り壁面が少なくなる為です。
筋かいや合板の止が悪いのは、手間と材料費がかかる割に、後に見えなくなり苦労が評価されない為です。
 地震に強い建築物を作るには、多少使い勝手が悪くなっても壁をバランス良く配置し、見えなくなる部分の
設計・施工に建築主自らが興味を持つ事が大切です。


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